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SBIRS

SBIRSの構成概念図: SBIRS-High(GEO、HEO)とSTSS(LEO)で構成される。

SBIRS(Space-Based Infrared System、宇宙配備赤外線システム)は、アメリカ合衆国弾道ミサイル早期警戒衛星システムである。ミサイル防衛計画の一部として、敵対する国の弾道ミサイルの発射時の赤外線を探知して、ミサイル発射の第1報を発し、ブーストフェイズのミサイルの赤外線を識別・追尾して、着弾地点の予測や、迎撃指示のために必要なミサイルの軌道(弾道)情報を取得する。

静止軌道(geosynchronous earth orbit:GEO)または長楕円軌道(highly elliptical orbit:HEO)を周回する高軌道の衛星システムであるSBIRS-Highと、低軌道(low Earth orbit:LEO)を周回する専用衛星のシステムであるSTSS(Space Tracking and Surveillance System)(旧称:SBIRS-Low)により構成される衛星ネットワークの構築が進められている。主契約企業はロッキード・マーティンであり、ノースロップ・グラマンが主な副契約企業となっている。

従来の早期警戒衛星であるDSP衛星に代わって、冷戦後の戦略環境の変化に対応し、報復核攻撃からミサイル防衛の運用へ重点を移した宇宙配備の早期警戒網センサー網として1996年に開発が開始されたが、その開発は順調に進まず運用開始目標は延期を重ねており、費用も当初見込みの40億ドルから大幅に超過し120億ドルまで膨れ上がっている。SBIRS-High については、衛星数を計画より減らした上で、2022年8月4日に最後の衛星の配備を完了し、一応完成している。STSSについては、2009年に2基の技術試験衛星を軌道上に配備した段階に留まっている。


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